ウナギの飼育 餌付け
釣ってきたウナギの針がうまく外れた場合、その個体を水槽で飼育することも可能です。ウナギは海から上流域まで幅広く分布します、飼育する場合は真水で問題ないでしょう。飼育設備は一般的な魚類の飼育設備で構いませんが、隙間の無い蓋と、隠れ家、大きめの濾過機が用意できると理想的かと思います。
釣ってきたウナギで厄介なのが餌付けです、個体差にもよりますが、ある程度育った大きさでは、水槽に導入してしばらくは拒食します。最も餌付けしやすいのは、エビやメダカなどの生き餌です。しかし、それだけでは調達が大変ですので、せめて、冷凍餌に餌付けることができれば、飼育が幾分か楽になるでしょう。たとえば、木曽川河口で釣ってきたウナギの場合、生き餌の次に餌付いたものは、シジミのむき身でした。それを、冷凍にしたものにも餌付いてくれましたが、同じ貝類でも、アサリには餌付きませんでした。やはり、生息域で食べていたものによる影響でしょう。また、ウナギは絶食にとても耐えます。私も、過去餌付けるまでに、半年以上かかった個体もいましたが、不思議なことに、目に見えた痩せはありませんでした。一度餌付いてしまえば、食欲は旺盛で、成魚で採集してきた個体が、養鰻用の人工飼料に餌付くこともあります。
ウナギは絶食にも耐える他に、基本的な生命力も魚類の中で最も強い部類に入るでしょう。たとえば、ある釣り宿では、生きたまま持ち帰る際、複数釣った場合は、クーラーボックスに入れそこに直接水道水と氷を入れます、一気に冷やし、動きを抑えることにより輸送中の酸欠を抑え持ち帰る方法ですが、それによる塩分濃度、カルキ、PH、水温等の変化による生体へのダメージは見られません。実際、自宅に帰り冷え切ったウナギを容器に移した際には、温度が戻れば元気に動き出します。一般的な観賞魚では、このような変化にはまず耐えられないでしょう。